「キラル」とは、右手と左手のように、鏡に映した像が元の像と重なり合わない性質のことをいいます。キラルな状態は身の回りのさまざまな箇所で見られ、ネジや将棋などが例として挙げられます。
一方、「ノット」とは「結び目」(輪っか)を意味し、ひもを結んで出来る形のことを指します。輪ゴムは最も単純なノットですが、複数の輪が複雑に絡み合ったノットも存在します。
「キラルノット」は、キラルの性質を持つ結び目を指します。水引やDNAの形を思い浮かべていただくと分かりやすいかもしれません。
「キラル」の例
グルタミン酸と呼ばれる分子は生体組織を形作るタンパク質を構成するアミノ酸の一種で、キラルな性質を持っています。以下の図のように、化学的な組成(C₅H₉NO₄)は同じでも、鏡映しになった1対の分子が存在します。一方をL-型、もう一方をD-型と呼びます。両者は形は似ていますが、性質は大きく異なります。例えば、よく知られているうま味調味料はグルタミン酸ナトリウムを主成分としていますが、うま味の素はL-型のグルタミン酸です。D-型のグルタミン酸ではうま味が出ません。理由は、人間の舌にある味を感じるセンサーもキラルな性質を持っているからです。