広島大学メールマガジン第6号をお届けいたします。

ぜひご一読ください!

最新TOPICS(2件)

1.学長開発の培養軟骨移植治療が「変形性膝関節症」にも保険適用拡大 ~根治の可能性を開く新たな治療として期待~

記者会見の様子(左から株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング 山田 一登社長、本学 越智 光夫学長、同安達 伸生教授) 写真提供:J-TEC

 越智 光夫学長が開発・技術移転した「自家培養軟骨移植治療」が、2026年1月に「変形性膝関節症」へ保険適用を受けました。本治療は、国内に1,000万人いるとされる変形性膝関節症患者の医療費負担を軽減するとともに、根治の可能性を開く新たな治療法として期待されます。


 保険適用を受けたのは、株式会社ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC、愛知県蒲郡市、山田 一登社長)の医療製品、自家培養軟骨「ジャック」です。患者自身の正常な膝軟骨細胞を採取し、約4週間培養したゲル状の培養軟骨で、欠損部位に移植して軟骨再生を促します。運動療法や薬物療法で改善が見られず、一定以上の軟骨欠損のある患者が対象で、高額療養費制度の適用により、自己負担額は月額約6万~25万円程度に抑えられます。


 越智学長は、1996年に培養軟骨移植治療を開発。J-TECに技術移転を進め、2012年に「外傷性軟骨欠損症」と「離断性骨軟骨炎」で、国内初の製造販売承認を受け、2013年に保険適用を受けました。これまで約2,000人の患者が治療を受けています。


 2019年から本学医系科学研究科の安達 伸生教授が、臨床試験を開始し、国際的評価指標であるWOMACスコアで、膝機能の大幅な改善が確認されるとともに、有害事象が認められないなど、有効性と安全性が評価され、今回「変形性膝関節症」へも保険適用が広がりました。


 「変形性膝関節症」の治療は、薬物療法や運動療法、人工関節置換術、骨切り術などが主流ですが、軟骨の自然再生は非常に難しく根治的治療法は確立されていません。この培養軟骨移植治療では、手術後52週時点で従来の軟骨と同様の組織による修復が確認された症例もあり、疾患の根治の可能性を開く治療として期待されます。


 本学では、今回の保険適用を、長年の基礎研究と臨床研究が社会実装された重要な成果と位置付け、変形性膝関節症に苦しむ患者への新たな治療の選択肢として、今後の普及とさらなる臨床研究に注力してまいります。なお、J-TECでは、数年後に年間約1,000例の使用を目指しています。

 

 本件は、2026122日、東京都中央区において、J-TECと共同で記者会見を開催しました。


2.教育学部4年生で体育会サッカー部の香取 潤さんがJ3ガイナーレ鳥取と入団契約を結びました

 2025年12月22日、教育学部4年生で体育会サッカー部の香取 潤さんがJ3ガイナーレ鳥取と入団契約を結び、2026シーズンからプロ選手としてJリーグのピッチに立つことになりました。

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広島大学 ✕ 地域共創

地域とともに未来を創る!広大発 Town & Gown構想


 本学は、自治体や民間企業等と連携し、Town & Gown構想を推進しています。Town & Gown構想とは、Town(=まち)とGown(=大学)が協働し、持続可能な未来像を共有しながら、社会変革を伴う地方創生を実現し、持続的な地域の発展と大学の進化を共に目指すことを通じて日本を地域から躍動させるための取り組みです。アメリカでは既に多くの大学で広まりつつありますが、日本ではまだ例が多くありません。広島大学が日本におけるTown & Gown構想の先駆者として、これまでに取り組んできた活動の一部をご紹介します。


東広島市とのTown & Gown構想

 2019年、本学と東広島市が共同提案した「アカデミック・エンタープライズが駆動するサステナブル・ユニヴァーシティ・タウン構想」が文部科学省の「科学技術イノベーションによる地域社会課題解決(DESIGN-i)」に採択されました。


 本構想では、本学と東広島市が協働し、地域課題の解決に資する科学技術イノベーションの社会実装と人材育成の推進や、民間企業、起業家や投資家、市民と連携した産学官民連携エコシステムである地域共創の場の形成に取り組んでいます。


 活動の一つに、COMMON(こもん)プロジェクトがあります。本学と東広島市が「共通(COMMON)」の課題に取り組み、またお互いが「顧問」となって教え合いながら社会課題の解決を目指すもので、2021年度からこれまでに30件のプロジェクトが認定されました。

COMMONプロジェクト「三津湾の特性を生かしたカキ養殖の効率化・高付加価値化」

東広島市・広島大学Town & Gown Office HPはこちら


呉市とのTown & Gown構想

 2025年11月26日配信のメールマガジン第2号でもご紹介したとおり、呉市、海上保安大学校、公益財団法人笹川平和財団などと連携し「アジアにおける新たな海洋・海事の拠点づくり」を目指す、呉市とのTown & Gown構想にも取り組んでいます。既に呉市役所にオフィスを設置したほか、呉市にある本学生物生産学部附属練習船基地内に、海洋・海事未来研究所を設置し、子ども向け海洋・海事分野のセミナーを開催するなど、構想の拠点整備や周知活動を進めています。


 2026年度以降は自動運航船の実現にもつながる海洋リモートセンシング技術センターの設置や、文理融合型の海洋・海事系の大学院学位プログラムの展開など、多様な計画が予定されています。

子ども向け海洋・海事分野のセミナーの様子

呉市・広島大学Town & Gown構想 HPはこちら


広島から全国へ

 Town & Gown構想をモデルとして具体化・一般化し、日本全国に広めるため、2023年10月に全国Town & Gown 構想推進協議会を設立しました。これまでに総会を3回開催し、各会員による活動共有・モデル化検討などを行っています。現在の会員は広島大学、東広島市、呉市をはじめとする12団体となり、今後もさらなる会員数の拡大を通じた取り組みの広がりを目指します。

2025年10月24日 全国Town & Gown構想推進協議会 第3回総会の様子(開催場所:愛媛県今治市

入会のご案内はこちら


 Town & Gown構想の最終目標は、持続的な地域の発展と大学の進化を通して日本全体を躍動させることにあります。世界中から集う人々がその特性や役割にかかわらず尊重し、認め合う未来社会の実現に向け、自治体や企業、地域の皆さまと一体となって、あらゆる人が住みやすいまちづくりを進めます。

実はすごい!広大

国立大学初の脱炭素キャンパスを目指して 学園都市型カーボンニュートラルへの挑戦


 東広島市とのTown & Gown構想では、民間企業とも連携し、未来のまちづくりに向けた技術革新も進めています。


 2021年には、広島大学・東広島市・住友商事株式会社の包括連携協定に合わせて「カーボンニュートラル×スマートキャンパス 5.0宣言」を行い、国が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現よりも早い2030年までに東広島キャンパスで使うエネルギーのカーボンニュートラルと、AIやIoTなどの情報通信技術をキャンパスに導入し、DX(デジタル・トランスフォーメーション)につながる基盤整備を進め、Society5.0を実装したスマートキャンパスの実現を目指しています。

「カーボンニュートラル×スマートキャンパス 5.0宣言」詳細はこちら

 具体的な取り組みの一つとして、国立大学最大規模の太陽光発電設備の整備が挙げられます。2024年度までに、東広島キャンパスの建物と駐車場に、国立大学では最大規模となる6.6MWの太陽光発電設備を設置しました。現在の東広島キャンパスにおける消費電力の20%に相当する再生可能エネルギーを確保することができました。

東広島キャンパスに設置された太陽光発電設備

 2026年2月からは、太陽光発電に加え、分散配置した本学所有のEV(電気自動車)および空調設備を活用したVPP(Virtual Power Plant)実証を中国電力株式会社と連携して実施します。

 キャンパス内の太陽光発電量および電力需要の予測に基づくエネルギーマネジメント計画を策定し、EVと空調設備を最適運用します。EVは太陽光発電の余剰電力などから日中に充電し、電力需要が高まる夕方・夜間にその電気を活用することで、キャンパスの低炭素化および電気料金抑制の効果を検証します。

VPP実証の構成イメージ

 2024年9月、本学は東広島市、広島県、東広島スマートエネルギー株式会社、株式会社広島銀行、広島ガス株式会社と「次世代のための学園都市型カーボンニュートラル~住みたい、働きたい、学びたいまち、東広島~」を共同提案しました。この提案は、環境省が全国100か所の選定を目指す「脱炭素先行地域」として、広島県で初めて選定されました。今後も、自治体や企業等の皆さまの協力を得ながら、2030年までに東広島キャンパスで使うエネルギーのカーボンニュートラルを目指して取り組みを進めてまいります。

脱炭素先行地域への選定について詳細はこちら


 「カーボンニュートラル」って「どんな意味なの?」「どうしてそんなに大切なの?」と疑問を感じている方へ、カーボンニュートラルの誕生から、環境問題の歴史、現在の各国や広島大学の取り組み状況をわかりやすく伝える特集「未来の地球と大学の使命-広島大学がカーボンニュートラルに挑む理由-」が本学公式ウェブサイトで新たにスタートしています!こちらもぜひご覧ください。

「未来の地球と、大学の使命。」特集記事はこちら

ええね!広大生

 本学には、学内外で多様な活動を行う在学生や、各分野で活躍する卒業・修了生が多数います。

 2025年11月に韓国・崇実大学で開催されたSTETSON国際環境法模擬裁判競演大会 東アジア地区ラウンドにおいて、法学部の劉 暢さん、ARIUNAA MARALさん、村田 知美さんのチームがSoongsil’s Bronze Medal(銅賞)を受賞しました。さらに、個人賞として、ARIUNAA MARALさんが Second Oral Award、劉 暢さんが Third Oral Award をそれぞれ受賞しました。

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イベント情報

2026年1月31日(土)広島大学平和センター主催・広島平和記念資料館共催 2025年度市民公開講座を開催します

 広島大学平和センター主催・広島平和記念資料館共催 2025年度市民公開講座「オンナ・コドモの被爆と復興 ~資料が語る被爆の長期的社会影響と市民の生きる力~」を開催します。

 戦争、被爆、復興の動乱期に、広島・⻑崎の⼈々はどう⽣きたのか。貴重な資料と綿密な調査から、「オンナ・コドモ」の⽣きる⼒が浮き彫りにし、被爆の実相を深く理解します。

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次号は、2月10日(火)頃に配信予定です!

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